―― アルフレッサ システム株式会社
左:業務管理部長 林秀樹 様、右:業務管理部 経理チーム長 植竹和之 様
医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具の卸販売、製造販売、輸出入等ならびに調剤薬局の経営とこれらに附帯する事業を行うアルフレッサグループ傘下のシステム会社。業界固有の業務ノウハウとITスキルを融合させ、グループ会社の基幹システム・業務システムとお得意先様である医療機関が利用する顧客支援システムの運用保守・開発を通して、グループにおけるシステム共同利用の推進と高品質で安定的なITサービスを提供しています。
DocYou(ドックユー)のファーストユーザーである同社に、導入の決め手や効果、今後のビジョンなどについて伺いました。
[お話を伺った方]
業務管理部長 林秀樹 様
業務管理部 経理チーム長 植竹和之 様
業務管理部 経理チーム 日隠美桜 様
―― 業務管理部長 林秀樹 様
林様 私たちアルフレッサ システム株式会社が所属するアルフレッサグループは、「医療用医薬品等卸売事業」「セルフメディケーション卸売事業」「医薬品等製造事業」「医療関連事業」の4事業セグメントを主として展開しています。その中で弊社では、「医療関連事業」以外の事業セグメントに属する国内8社の基幹システムと顧客支援システム、それに付随する周辺システムの運用管理や保守、開発を行っています。
林様 弊社では、グループ会社とはシステムの開発や運用・保守などのサービス提供について、協力会社とは調達や業務委託などの取引について契約書を交わしています。ここ最近、デジタル化が社会的なトレンドです。とくに書類の取り交わしについては、将来的には電子契約が一般的になるという流れも起こってきています。ペーパーレス化やハンコレス化を視野に入れ、「弊社ではどんな形で実現するべきか」「どのように運用するべきか」など、電子契約システムの導入検討を2018年から開始しました。電子契約システムの選定については、n対nによって業務効率が向上できることにメリットを感じ、DocYouの採用を決定。日鉄日立システムエンジニアリングさんからいただいた提案をベースに2019年に導入計画を立案し、2020年10月から導入しました。
※「n対n」対応とは…
電子契約の場合、システム上に契約締結を行う企業それぞれのアカウントを作成し、各自そのアカウントでログインして、書類の送信・受信・確認・同意などを行います。
このとき、送信元企業アカウントを固定し、受信する側の企業はそれに対応する形でアカウントが作成されるシステムを「1対n」対応システムと呼びます。この場合、自社から他社へ書類を送るためのアカウント、他社から自社宛に受け取るアカウント、それぞれ異なるため、同じ企業向けの契約書類であっても、送信・受信の切り替えの際には都度ログアウト・ログインが必要になります。(※下図【①「1対n」対応のシステムの場合】参照)
一方、1つのアカウントで複数企業と送信も受信も対応が可能な「n対n」対応のシステムであれば、送受信ごとのログアウト・ログインは不要です。DocYouはこの方式を採用し、送受信ごとの煩雑なログアウト・ログインを排除しています。
(※下図【②「n対n」対応のシステムの場合】参照)
林様 先ほども少し触れましたが、弊社では「グループ会社との取引」と「調達先との取引」の大きく2種類の取引があります。「グループ会社との取引」ではアルフレッサグループ各社へのサービス提供関連の契約、「調達先との取引」ではシステム開発会社との調達契約を締結します。
DocYou導入前は、例えば調達契約の場合、調達先から紙の契約書・見積書を受領して、社内の承認手続きを紙に押印して行ったうえで、紙の契約書・注文書に必要なハンコを押してお返しするというフローで、すべてが紙でのやり取りでした。DocYou導入と並行して社内の手続きをほぼ同じタイミングでワークフロー化しましたので、導入後は契約書や見積書など取引に関わる書類をすべて電子データでいただくことになりました。現在は、①電子データで契約内容を調整、②確定した契約書を電子データで受領、③電子データをワークフローで社内承認、④DocYouで契約、という流れになっています。
―― 業務管理部 経理チーム長 植竹和之 様
植竹和之様「n対nの取引が可能になり、これまでは実現できなかった領域での業務効率化を期待」
林様 日鉄日立システムエンジニアリングさんとは他の業務システムの開発・運用などの面で業務を委託するなど、長いお付き合いをしています。 ベースには、その間に培ってきた信頼があると思います。機能面ではDocYouが1対nの電子取引だけではなくn対nの電子取引ができることに、大きなメリットを感じました。グループ各社やグループ外の調達先間で連携を取りながら進める必要のある取引もあるのですが、これまでは個別に1対1対応するしかありませんでした。
しかし、DocYouを関係各社様にも導入いただくことでn対nのお取引が可能になり、また3社間取引にも効率よく対応できるため、これまでは実現できなかった領域での業務効率化が加速することを期待できました。
植竹様 他のサービスも検討しましたが、1対nのサービスしかなく、取引先様ごとにいちいちIDを切り替えてログインする必要があり課題となっていました。
今、林がお話ししましたように、DocYouはn対nの取引が可能なため、一度ログインすればIDを切り替えずにすべての取引先様との契約を管理できる点が決め手になりました。グループ会社が同一サービスを利用することでこのメリットが、より活きてくると思っています。
また、システム構築の現場では、例えばA社の製品を導入するために販社であるB社を介する必要があるなど、商流が限られていることがよくあります。こうした3社間取引にも、DocYou なら一度ログインして取引先としてA社とB社を設定して送信するだけで対応でき、他のシステムのようにいちいちログインし直して個別に対応する必要がないことも大きなメリットでした。
導入説明に際して「世の中にさまざまな電子契約システムがある中で、どうしてDocYouなの?」とよく尋ねられましたが、n対n対応できることは社内へ大きな説得材料となり、採用理由の主因の1つになりました。
さらに、もう1つの大きな採用理由は、セキュリティでした。会社間での取引ですのでセキュリティの重要さは言わずもがなですが、多くの電子契約システムが意外と簡単に契約ができてしまったりします。そのあたりもDocYouはしっかり配慮されていて、本人登録手続きが厳密で、ログイン時もマルチファクター認証でなりすましを防ぐなどの点で安心感がありました。
※DocYouの3社間取引機能は、商流が限定される場合に限らず、1通の書類に対して3社の合意が必要な場合にご活用可能です。通常の取引と同様の操作で、書類に対して宛先を2社設定するだけで、それぞれに対して承認依頼を行えます。
―― 業務管理部 経理チーム長 植竹和之 様
林様 機能については、弊社に必要になりそうな機能を先にご提案いただき、早めに取り込んでいただいたのも助かりましたね。そうした機能面や料金プラン設定での柔軟性もさることながら、弊社が一番メリットを感じたのはなによりも日鉄日立システムエンジニアリングさんの手厚いサポートです。
電子契約システムは、より多くの取引先様に導入いただくことでより業務が効率的に進みますので、取引先様にもDocYouのメリットをご理解いただくために説明をする必要がありました。その際も、知恵を出していただき、一緒に課題を解決していただいたので、大変助かりました。
と言うのも、導入に際して最も苦労した点であり、最も時間をかけて丁寧に進めたのが、取引先様への説明だったのです。
導入のファーストステップとして、まず取引量の多い大手の主要な会社様にDocYou導入をお願いするため説明会を開催するのですが、やはり各社様からは導入にあたっていろいろな課題が出てきます。日鉄日立システムエンジニアリングさんには開催から各社の課題解決まで支援いただき、2021年3月現在でグループ内外合わせて約20社に導入いただいています。
弊社の業務効率化のため、DocYouの導入にご協力いただいた取引先各社様には、非常に感謝しております。契約の電子化にあたっては、紙への押印を前提とした社内規定や押印規定の見直しなど、社内調整の苦労もあったと思いますが、皆さま電子契約のメリットをご理解して下さって、導入にご協力いただき、助かりました。
植竹様 林が申し上げましたように、取引のデジタル化は取引先様も巻き込む形で進める必要があります。日鉄日立システムエンジニアリングさんに一緒に動いていただいたのは、取引先様への説明の部分です。
「電子契約システムとは何か」という基礎的な説明会を開くことから始めて、寄せられるさまざまな問い合わせなどに回答し、課題を解決していくというプロセスを1社ごとにこなしていくわけです。こうした課題を一つひとつクリアして、1社ずつ導入した点が、今回一番苦労した所だと思っています。
日鉄日立システムエンジニアリングさんとは各社の課題解決の進捗状況を確認する定例会を毎週開くなど、緊密な協力体制で取り組みを進めることができました。また、そうした中で弊社側からの機能面での要求などにも応えていただきました。
双方の目的が一致しているといった側面もあったと思いますが、そうした柔軟性にはとても助けられました。
林様 各社への説明会では、弊社が電子契約システム導入の趣旨や目的を説明し、日鉄日立システムエンジニアリングさんにDocYouのシステム的あるいは技術的な説明を行ってもらうといった具合に役割を分担しました。
取引先様の中には、大手ITベンダーさんもいらっしゃいますので、すでに他の電子契約システムをご利用されている所もあります。また、外部のクラウドに契約書をアップロードすることについて、それぞれの会社内のセキュリティポリシーに対する問題や、社内の承認手続きや調整等に苦慮されるケースも出てきます。
各社各様の事情がありますので、それぞれの取引先様に気になる点や課題を洗い出していただき、リスト化して弊社と日鉄日立システムエンジニアリングさんで解決していったということですね。
―― 業務管理部 経理チーム 日隠美桜 様
林様 ペーパーレス化については、目に見えて効果が出ていると実感しています。まだ運用の初期段階ということもあり導入効果の定量化にはいたっていませんが、私の感覚では3割ぐらいは削減しているように感じます。また、書面で契約書を作成していた頃に比べて、印紙や切手がいらなくなったことによるコストメリットも出てきていると思います。
テレワークについては、月によっても異なりますが弊社ではおおむね35%から45%の在宅勤務率となっています。書面で処理していた頃は押印が不可欠でしたし、契約書の原本を確認する必要があるなど出社しなければならない業務がありました。現在はパソコン上のブラウザで作業できますので、新型コロナウイルス対策や働き方改革の推進には大きく貢献するものと考えています。
林様 実際の運用面では、弊社の場合はDocYouに実際に触れる人間は契約業務に関わっている業務管理部だけですので、人数としては少人数ということもあり、大がかりな研修はしていません。画面が直感的に操作できるよう設計されているため、使いやすいということもあると思います。
日隠様 DocYouを導入してから、平均して1日20~30回行っていた押印作業がなくなり、業務がとてもスムーズになったと実感しています。これまではオフィスへ出社して、デスクで手作業しなければならなかった業務が、パソコン1台あれば在宅でもできるようになったことのメリットは、特に今の時代にあっては非常に大きいのではないでしょうか。
―― 業務管理部長 林秀樹 様
植竹様 現状1日10数件の契約をDocYouでやり取りしていますが、当初の想定よりも取扱件数が多くなっている状況です。今後の課題として、社内の決済システムとの連動も進めていきたいと考えています。
林様 DocYouをグループ内の電子契約システムの標準にしたいと考えています。グループ企業間ではさまざまな取引や手続きがありますし、外部の調達先も同様です。電子契約の標準システムとしての地位を確立できれば、より広い範囲で効果が生まれ、業務効率の向上が図れると考えています。
先ほども触れましたが、当面は取引量の多い取引先様を中心にさまざまなフォローをしながら、できるだけ早期に導入いただくことを進めていきます。さらにセカンドステップとして、残りの取引先様にもご説明差し上げて、導入を検討いただけたらと思っております。
社名 | アルフレッサ システム株式会社 |
事業内容 |
アルフレッサグループ向けの情報システムの運用・保守 |
設立 | 2007年10月25日 |
従業員数 | 85名 |
URL | https://www.alfresa-system.com/ |
※ ページ上の内容は2021年11月時点の情報です。