請求書の電子化が進むなか、郵送やメール添付に加えて、Webを通じて請求書を届ける方法も広がっています。
Web配信では、取引先が専用サービスにログインして確認する方法や、メールに記載されたURLから確認する方法など、受け取り方はさまざまです。
この記事では、Web配信の仕組みやメール添付との違い、メリット、導入時に確認したいポイントを解説します。
Web請求書とは?Webで請求書をやり取りする仕組み
Web請求書とは
「Web請求書」という言葉に明確に統一された定義があるわけではありませんが、一般的には、インターネットを介して電子的に発行・送付・確認する請求書を指して使われます。
たとえば、請求書のPDFファイルをメールに添付する方法や、Webサービス上に請求書を登録し、取引先に閲覧・ダウンロードしてもらう方法などがあります。
本記事では、このうち後者のように、請求書ファイルをメールに直接添付せず、Web上で取引先へ届ける方法を「Web配信」として解説します。
Web請求書と電子請求書は明確に別のものではない
「Web請求書」と似た言葉に「電子請求書」があります。
電子請求書は、紙ではなく電子データで発行・受領する請求書を広く表す言葉です。そのため、Web請求書は電子請求書の一つの形として扱われることもあります。
請求書の電子化そのものについて詳しく知りたい場合は、関連記事「請求書を電子化するには?方法・メリット・サービス選びのポイントを解説」もあわせてご覧ください。
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請求書を電子化するには?方法・メリット・サービス選びのポイントを解説
Webで送った請求書を取引先はどう受け取る?
Web配信というと、「取引先にも専用システムを導入してもらう必要があるのでは」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、Web配信の受け取り方はサービスによって異なります。代表的な方法として、Webサービスへログインして確認する方法と、メールに記載されたURLから確認する方法があります。
Webサービスにログインして確認する
一つ目は、送信側と受信側が同じWebサービスにログインして請求書をやり取りする方法です。
一般的には、次のような流れになります。
- 送信側がWebサービスに請求書を登録・送信する
- 取引先へ請求書が届いたことを知らせる通知が送られる
- 取引先がWebサービスにログインする
- Web上で請求書を確認・ダウンロードする
継続的に取引する企業同士であれば、請求書をはじめとする書類を一つのサービス上でやり取りでき、過去に受け取った書類も確認しやすくなります。
一方、アカウント作成やログインの手間が取引先の負担となる場合もあるため、導入前に取引先側に必要な操作や手続きを確認しておくことが大切です。
メールに届いたURLから確認する
Web配信には、取引先が専用サービスのアカウントを作成せず、通知メールに記載されたURLから請求書を確認する方法もあります。
一般的な流れは次のとおりです。
- 送信側がWebサービスに請求書を登録する
- 取引先へ通知メールが届く
- メールに記載されたURLへアクセスする
- 必要に応じて認証を行う
- Web上で請求書を閲覧・ダウンロードする
この方法であれば、取引先は従来のメール添付に近い流れで請求書を受け取れます。
ただし、認証方法や閲覧期限、ダウンロード方法などはサービスによって異なるため、導入前に確認しておきましょう。
取引先の受け取りやすさも考えて方法を選ぶ
Web配信を検討するときは、送信側の業務効率だけではなく、受信側の使いやすさも重要です。
たとえば、頻繁に書類をやり取りする取引先であれば、Webサービスへログインして継続的に利用する方法が適している場合があります。
一方、請求書を受け取る頻度がそれほど高くない取引先や、新しいサービスへのアカウント登録を依頼しにくい取引先には、メールに記載されたURLから確認できる方法の方が導入しやすいこともあります。
自社の都合だけで配信方法を決めるのではなく、取引先との関係や利用頻度も踏まえて、無理なく受け取れる方法を選ぶことが大切です。
Web配信とメール添付の違い
請求書を電子的に送る方法として広く利用されているのが、PDFなどの請求書ファイルをメールに添付して送る方法です。
メール添付とWeb配信では、主に次のような違いがあります。
| 比較項目 | メール添付 | Web配信 |
|---|---|---|
| 請求書の受け取り方 | メールの添付ファイルを開く | Web上で閲覧・ダウンロードする |
| 導入のしやすさ | 比較的始めやすい | 配信用のサービスなどの導入が必要 |
| 取引先の操作 | 普段のメールに近い | サービスによって異なる |
| 送信後のアクセス管理 | 難しい場合が多い | 対応できるサービスもある |
| 送付・閲覧状況の管理 | メールの送信履歴などで確認 | サービス上で確認できる場合がある |
| 認証 | 運用方法による | 認証機能を利用できる場合がある |
メール添付には、専用のサービスを導入しなくても始めやすく、取引先にとっても馴染みのある方法というメリットがあります。
一方、メールを送信した後は添付ファイルへのアクセスを制御しにくいなど、運用上注意したい点もあります。
Web配信では、サービスによって認証やアクセス制御、送付状況の確認などの機能を利用できます。請求書ファイルを直接メールに添付せずに届けられることも、大きな違いです。
なお、メール添付にもそれぞれメリットや注意点があり、一律に問題のある方法というわけではありません。請求書をメール添付で送る場合のリスクや対策については、「請求書をメール添付で送るのは安全?リスクとより安全な送付方法を解説」の記事で詳しく解説しています。
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請求書をWeb配信するメリット
Web配信を利用すると、請求書を郵送したりメールに添付したりする場合とは異なる方法で取引先へ届けられます。
ここでは、主なメリットを見ていきましょう。
印刷・封入・郵送の作業を削減できる
紙の請求書を郵送する場合は、請求書を作成した後にも、印刷、封入、宛先確認、切手や料金後納郵便などの対応、投函といった作業が発生します。
Web配信へ切り替えれば、電子化できた取引先については、こうした郵送に伴う作業を削減できます。
ただし、Web配信はあくまで「作成した請求書を届ける方法」です。請求書そのものの作成・出力業務まで効率化できるかどうかは、利用するシステムや運用方法によって異なります。
取引先へ迅速に届けられる
郵送では、発送してから取引先へ届くまで一定の時間が必要です。
Web配信であれば、送信後すぐに取引先へ通知できるため、郵送に比べて請求書を短時間で届けやすくなります。
月末など請求書の発送が集中する時期でも、郵便の集荷時間や到着日を考慮した発送作業を減らせる点はメリットです。
送付状況を管理しやすくなる
Web配信サービスによっては、請求書をいつ送信したかだけでなく、取引先が閲覧したか、ダウンロードしたかなどを確認できるものがあります。
「請求書を送ったはずだが、取引先が確認したかわからない」といった状況を把握しやすくなるため、問い合わせや再送時の確認にも役立ちます。
利用できる管理機能や確認できる情報はサービスによって異なるため、導入時に確認しましょう。
認証やアクセス制御を利用できる
Web配信サービスによっては、認証機能やアクセス制御などを利用できます。
たとえば、URLへアクセスする際に追加の認証を求めたり、閲覧できる期間を設定したりする仕組みです。
こうした機能を活用することで、メールにファイルを直接添付して送信する場合とは異なる方法で、請求書へのアクセスを管理できます。
ただし、Web配信であれば自動的に安全になるわけではありません。利用するサービスのセキュリティ機能を確認し、自社の運用ルールと組み合わせて利用することが重要です。
請求書のWeb配信を始める前に確認したいこと
Web配信にはさまざまなメリットがありますが、自社だけで送付方法を変更すれば完了するとは限りません。
特にBtoBでは、取引先側の運用も考慮して導入する必要があります。
取引先に必要な操作を確認する
まず確認したいのが、請求書を受け取る取引先にどのような操作が必要になるかです。
Web配信サービスによって、
- アカウント登録が必要
- ID・パスワードによるログインが必要
- メールに記載されたURLからアクセスする
- 認証コードを入力する
など、受け取り方は異なります。
送信側にとって便利なサービスでも、取引先側の操作が複雑になると、問い合わせの増加や切り替えへの抵抗につながる可能性があります。
特に多くの取引先へ請求書を発行している場合は、取引先のIT環境や利用頻度なども考慮して選びましょう。
Web配信に対応できない取引先への対応を決める
すべての取引先を一度にWeb配信へ切り替えられるとは限りません。
取引先によっては、
「これまで通り紙で送ってほしい」
「新しいWebサービスには登録できない」
といった要望がある場合もあります。
そのため、最初から完全なペーパーレス化を前提とせず、Web配信へ切り替えられる取引先から段階的に電子化する方法もあります。
たとえば、Web配信に対応できる取引先には電子送付、紙を希望する取引先には引き続き郵送するといった併用も可能です。取引先の事情に配慮しながら、無理なく電子化を進められます。
紙と電子が混在する帳票業務を効率化する方法については、関連記事「電子化だけでは終わらない。紙運用も支える東計電算×日鉄日立システムソリューションズの『ハイブリッド帳票ソリューション』」でも詳しく紹介しています。
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電子化だけでは終わらない。
紙運用も支える東計電算×日鉄日立システムソリューションズの
「ハイブリッド帳票ソリューション」
電子取引データの保存方法を確認する
請求書を電子的にやり取りする場合は、送付方法だけでなく保存方法も確認しておく必要があります。
電子メールに添付したPDFで請求書を授受する場合や、インターネット上のサイト、クラウドサービスなどを通じて請求書データを授受する場合は、電子帳簿保存法上の「電子取引」に該当します。
電子取引で授受した請求書などのデータは、電子帳簿保存法の要件に沿った形で電子データのまま保存する必要があります。
Web配信サービスを検討するときも、「送れるか」だけでなく、受け取った請求書や送付した請求書を自社でどのように保存・管理するかまで整理しておきましょう。
※電子帳簿保存法については、国税庁などの最新の公的情報を確認のうえ運用してください。個別の判断が必要な場合は、税理士などの専門家への確認もご検討ください。
Web請求書サービスを選ぶときのポイント
Web請求書サービスを検討するときは、単に「Webで請求書を送れるか」だけで判断するのではなく、自社と取引先の双方が無理なく運用できるかを確認することが重要です。
取引先に合った受け取り方法を選べるか
まず確認したいのが、取引先側の受け取り方法です。
継続的にWebサービス上で書類をやり取りする方法だけでなく、アカウント登録なしでURLから閲覧できる方法など、複数の受け取り方に対応しているサービスもあります。
取引先が多い企業では、すべての会社に同じ方法を求めるよりも、それぞれの取引状況に合わせて配信方法を選べる方が移行しやすい場合があります。
必要なセキュリティ機能があるか
請求書には取引金額や振込先などの情報が記載されるため、セキュリティ機能も確認しましょう。
具体的には、
- 認証方法
- アクセス制御
- 閲覧期限
- 送付履歴
- 閲覧・ダウンロード状況の確認
などが挙げられます。
必要な機能は企業のセキュリティポリシーや請求書の内容によって異なります。自社が必要とする管理レベルを整理したうえでサービスを比較しましょう。
現在の業務や既存システムと連携できるか
Web請求書サービスを選ぶ際は、現在の請求書発行業務にどの程度影響があるかも確認しましょう。
すでに基幹システムや会計システム、帳票システムなどで請求書を作成している場合は、既存の仕組みを活かしたままWeb配信へ切り替えられるかが重要です。
サービスによっては、API連携などを利用して、既存システムで作成した請求書データをWeb配信サービスへ連携できます。
導入にあたって現在の業務フローをどこまで変更する必要があるのか、手作業でのファイル登録がどの程度発生するのかなども確認しておきましょう。
紙とWebを併用できるか
取引先によってWeb配信への対応状況が異なる場合は、紙とWebを併用できるかも確認したいポイントです。
「Web配信を導入するなら、すべての取引先を電子化しなければならない」と考える必要はありません。
電子化しやすい取引先からWebへ切り替え、紙を希望する取引先には郵送を残すことで、現実的な形で段階的に移行できます。
特に取引先数が多い企業では、こうした混在期間をどのように運用するかまで想定してサービスを選ぶことが重要です。
DocYouなら取引先に合わせて請求書をWeb配信できる
企業間取引プラットフォーム「DocYou」では、請求書や納品書など、企業間でやり取りする書類をWeb上で配信できます。
取引先との関係や利用状況に合わせて、複数の方法で書類を届けられる点が特徴です。
DocYou上で請求書をやり取りする
送信側・受信側の双方がDocYouを利用している場合は、DocYou上で請求書などの書類をやり取りできます。
取引先はWeb上で書類を確認・ダウンロードできるため、継続的に書類を授受する企業間での利用に適しています。
請求書だけでなく、企業間で発生するさまざまな書類を同じプラットフォーム上でやり取りしたい場合にも活用できます。
アカウント登録不要の「かんたん閲覧」で配信できる
「取引先にDocYouのアカウント登録をお願いするのは難しい」という場合には、「かんたん閲覧」を利用する方法があります。
かんたん閲覧では、取引先側でDocYouのアカウントを登録する必要はありません。
取引先へ届いたメールに記載されたURLから、Web上で書類を閲覧・ダウンロードできます。また、必要に応じて認証コードを設定し、セキュリティを高めた運用も可能です。
既存システムとの連携にも対応
すでに基幹システムなどを利用して請求書を作成している場合も、DocYouはAPI連携などを活用して既存システムと連携できます。
現在の請求書作成業務を活かしながら、作成後の書類を取引先へ届ける部分をWeb配信へ切り替えるといった運用も可能です。
既存システムとの連携方法や業務フローは利用環境によって異なるため、導入時には現在のシステム構成や運用方法に合わせて検討します。
紙での送付が必要な取引先にも対応できる
取引先によっては、Web配信へ移行できず、紙での請求書を希望する場合もあります。
DocYouでは、BPOサービスと組み合わせることで、紙での送付が必要な帳票について印刷・封入・発送などを支援することも可能です。
電子化できる取引先からWeb配信へ切り替えながら、紙を希望する取引先には従来の方法を残すことで、一律に完全電子化するのではなく、自社と取引先の状況に合わせて段階的に進められます。
まとめ
Web請求書にはさまざまな形があり、請求書ファイルをメールに添付する方法だけでなく、Webサービス上で確認・ダウンロードしてもらう「Web配信」も選択肢の一つです。
Web配信でも、取引先が専用サービスへログインする方法や、メールに記載されたURLから確認する方法など、受け取り方はサービスによって異なります。
導入するときは、送信側の業務効率だけを見るのではなく、アカウント登録やログインが必要かなど、取引先側の使いやすさも確認することが重要です。
また、すべての取引先を一度にWeb配信へ移行する必要はありません。電子化できる取引先から切り替え、紙での送付が必要な取引先には郵送を残すなど、段階的に進める方法もあります。
DocYouでは、DocYou上での書類配信に加え、取引先のアカウント登録が不要な「かんたん閲覧」にも対応しています。取引先に合わせた請求書の届け方を検討している方は、DocYouの機能や導入事例をまとめた資料もぜひご覧ください。
※本記事は2026/10時点の情報です。
まとめ
百貨店DXを通じたメリットと導入方法
百貨店業界での電子取引の導入は、業務効率化とコスト削減を実現するだけでなく、業務フロー全体を最適化し、取引先との信頼関係を強化する鍵となります。紙ベースの契約や取引書類管理に依存していた従来のプロセスから、クラウドを活用した電子取引に移行することで、以下のようなメリットが得られます。
- オペレーション効率化
契約締結や情報共有がリアルタイムで可能になり、プロセス全体が短縮。 - コスト削減
紙や郵送、保管スペースなどのコストが不要に。無駄なやり取りが減り、全体的なコストパフォーマンスが向上。 - 環境への配慮
ペーパーレス化で、森林資源の保護に貢献。CSRの強調で、消費者や取引先から支持を得やすくなる。
電子取引を導入する際は、現状の業務フローの確認、セキュリティ対策、適切なサービス選定が重要です。また、段階的なテスト導入や取引先への説明を徹底することで、スムーズな移行が可能です。
百貨店DXを進めるためには、電子取引の導入が不可欠です。未来の競争力を高める第一歩として、ぜひ電子取引の活用をご検討ください。


